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L. Infeld著「アインシュタインの世界」Uアインシュシタインの思い出

L・インフェルト著(武谷三男、篠原正瑛訳)『アインシュタインの世界』講談社(1975年刊)の第U部“アインシュタインの思い出”から引用しました。
 この第U部はアインシュタインの人柄を知る上でとても貴重な記録です。この中にインフェルトがアインシュタインとの共同研究の為にプリストン高等研究所を初めて訪れたとき(1936年)のアインシュタインの様子が書かれています。さらに興味深いのは、そのときたまたま立ち会うことになったアインシュタインとレヴィ=チヴィタとの会話の様子です。
 アインシュタインは一般相対性理論を構築する際に、リッチとレヴィ=チヴィタが展開した絶対微分学(テンソル解析学)にとても助けられたのですが、ちょうど半年の予定でレヴィチヴィタがプリンストンに招待されて滞在していた時の話です。
(第T部のp47〜53p84〜87p88〜90を別ページで引用していますので合わせてご覧ください。) 


 p244に書かれている“藁でできた柱のエネルギー・運動量のテンソルについては、アインシュタイン・インフェルト共著『物理学はいかに創られたか』(岩波書店1939年刊)V場・相対性(2)“場と物体”が参考になるかも知れません。私たちが学生の頃は、この本は必読の本でしたが、最近の学生は読まれるのだろうか。
 また、p245に書かれている、インフェルトがアインシュタインに序文を書いてもらった本は L. Infeld著 『The World in Modern Science』 London,Gollancz(1934年刊) です。


 Paisは、「神は老獪にして・・・」p319で、アインシュタインとレヴィ=チヴィタとの間に手紙のやり取りが始まったのは1915年の始め頃で、アインシュタインが1914年10月に書いた論文(PAW,pt. 2, p1030〜1085, 1914年)がきっかけであったと説明しています。レヴィ=チヴィタはアインシュタインの一般相対性理論のごく初期段階からの良き理解者です。

 文中の“重力波の未発表の論文”とは N.Rosen との共著論文 “On gravitationl waves”,Franklin Institure, Journal, vol.223, p43〜54, 1937年 の事だろう。これは 『アインシュシタイン選集 第2巻』共立出版(1970年刊) に[A9]として翻訳されています。この論文の顛末については、Pais「神は老獪にして・・・」邦訳版の p367p656 や、ホヴァート・シリング著「時空のさざなみ」化学同人社(2017年刊)の第4章などをご覧ください。

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