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Einstein著「自伝ノート(1947年)」東京図書(1978年刊)の第4段落(p73〜81)より引用

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補足説明
 上記赤線四角で囲ったミンコフスキーの業績に対するアインシュタインの記述を補足します。
 “座標変換(ローレンツ変換)のもとで不変性を保証する形式”とは、要するにテンソルで自然法則を記述したと言うことです。そうすれば座標変換に対して共変的な形が保証されるので、相対性原理を必然的に満たしている。このことはEinsteinが一般相対性理論に向かう上で極めて重要な貢献でした。このことについては、Einsteinの1917年文献§17もご覧下さい。
 
 また、“ローレンツ変換が四次元空間における回転にほかならないことをもしめした。”ですが、自然法則が共変でなければならない座標変換とは、その原点を空間的にずらす事も含めた座標変換では無いと言うことです。座標の原点を固定して、時間座標軸と空間座標軸の関係(つまり互いの座標軸の交叉の仕方、斜交座標の斜交の仕方を変えると言うことです。この座標変換に対して共変でなければならないと言うことです。もちろん、その様な座標変換に限っても、その中には異なった速度(加速度)で動いている座標系への座標変換を含んでいます。また、空間座標についてもその斜交角が時間的に任意の変化をする斜交座標系への座標変換を含んでいます。
 これは一般相対性理論に向かうとき、最大に必要な制約です。実際一般相対性理論の世界では4次元空間の座標原点(世界点)をずらすことも含めた座標変換などは意味が無いのですから。つまり、自然法則が共変でなければならない座標変換とは4次元空間における座標原点(世界点)を固定した回転であるようなもので無ければ成りません。もちろん一般相対性理論の世界では単なる回転ではありませんが、いずれにしてもミンコフスキーの4次元世界の座標回転をさらに一般化したようなものです。
 座標変換をこのように捉えることは、4次元世界の世界距離(一般相対性理論の世界では微小である必要がありますが)が座標変換に対して不変であると言うことを理解する上でも有益です。

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