質量の単位1kgは、初め「一辺が10cmの立方体の体積の最大密度における蒸留水の質量」と定義されたが、1889年に直径、高さとも39mmの円柱形で、白金90%、イリジウム10%の合金でできている「国際キログラム原器の質量」に置き換えられて今日に至っている。これはフランスのパリ郊外セーヴルの国際度量衡局に、二重の気密容器で保護された状態で保管されており、世界で唯一のすべての質量計測の基準である。
時間の単位である秒は、初め地球の自転による定義が用いられたが、地球の自転には季節変動や経度変動などがあるので、1956年には地球の公転に基づく定義に変更された。その後、さらに高い精度を出せる原子周波数標準の研究が進み、1967年にはセシウム原子に基づく秒の定義が国際度量衡総会において採択された。今日時間の単位1sとは「セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍の時間」である。
長さの単位メートルは、初め地球の子午線の長さに基づいたメートル原器として実現した。このメートル原器は1889年の第1回度量衡総会において国際的に採用された。その後、1960年にクリプトン86原子のスペクトル線の波長を用いて定義することになったが、レーザ技術の発展により、1983年に真空中の光の速さを用いた定義に変更された。今日長さの単位1mとは「光が1/299792458秒間に進む距離」である。