このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。
氷河期の最盛期には、蒸発した海水が両極に氷床として固定されるため、海水の量が減少して海水準が低下する。海面が現在より約150m程度下がっていたと考えられている。そのためアジアと北アメリカの間のベーリング海峡は陸続きにになり、4〜1.5万年前頃にパレオ・インディアンがユーコン地方に達した。また1.4〜0.85万年前にはアジアから別の移住があったようだ。北アメリカの西北部に拡散したエスキモーの祖先、アリューシャン列島に定着した古アリュート、ナディーン(北西インディアン)の祖先など。(下左図)
最終氷河期の1.5万年前頃、コルディエラ氷床とローレンタイド氷床の間に回廊ができた(上右図)。そのために、カナダのユーコン地方からアメリカ合衆国の北部まで動物が移動できるようになった。この回廊地帯を通って大型哺乳類(マンモス、野牛)や人類が南方に移動した。(下図)
パレオ・インディアンは、黒い眼と直毛、赤銅色の皮膚、幅広の頬骨、シャベル型の門歯を持っていた。このモンゴロイド系の特徴は現在のアメリカインディアンにも見られる。南北アメリカ大陸に残る遺跡の年代測定値から、彼らは12000〜10000年前の間にアメリカ大陸を南下してほぼ南端に達したと考えられている。
この時期(12000〜5000年前)に南北アメリカ大陸に生息していた多くの大型動物が絶滅した。マンモス4種、マストドン3種、ラクダ3種、長角バイソン、ウマ、プロングホーン、ジャコウウシ、地上性オオナマケモノ(メガテリウム)、オオアルマジロ(グリプトドン)、剣歯虎など。この絶滅の波は、ちょうどパレオ・インディアンの南下に時を同じくしているように見える。そのため、人類がその絶滅の原因ではないかという専門家もいる。彼らが用いた先端に石器を付けた槍や、投槍器(アトラトゥル)が大型動物を絶滅に追いやった可能性があるというのである。
この投槍器を使うと50m程度だった槍の飛距離が100mを越えるようになる。そのため実際に獲物を倒せる距離は10m程度だったのが20m以上に延びたと考えられる。
(デビッド・ランバート著「PREHISTORIC MAN 図説人類の進化」平凡社1993年刊 等参照)