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エンドウの染色体地図

 乗換え単位とは“組替え価”にもとづいた遺伝子間の相対的な距離で、1が組替え価1%に相当する遺伝子距離である。組替え価は50%をこえることはないのに乗換え単位が50を越えるのは対合する染色体間で乗換えが2回以上起こるからである。

 エンドウは7対の相同染色体を持つが、メンデルが研究した7つの対立形質は全てが別々の染色体上にあるわけではない。そのため対立形質の組み合わせによっては独立の法則に従わないものが出てくる。
 メンデルが二遺伝子雑種、三遺伝子雑種の実験に選んだ対立形質は幸運にも、異なる染色体上にある遺伝子、または同じ染色体上にあっても遺伝子間の距離が大きく(組替えにより)独立の場合と同じような分離比になる遺伝子の組み合わせであった。
 メンデルは実験8、9以外にも、他の形質を二つずつ、および三つずつ雑種に結合した実験を、比較的少数の実験植物を使ってなお数回おこなって同様な結論を得たと記している(メンデルの論文第8章 前掲訳本P52)。 しかしメンデルは意図的に分離比がきれいな値になるもののみを選んで報告した可能性も排除できない。

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