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人の様々な能力と受験勉強

 勉強は大切です。少しでもランクの高い大学に入るためにアクセク努力する。受験勉強は人が持つ能力のある側面を測定するために課せられている。大学のランクもその方面で輪切りにされてランクづけられている。もちろんそれらの能力は大切です。しかし、受験勉強・入試の成績では測りきれない多くの能力がある。
 受験勉強は頑張れるだけ頑張ってみる。しかし受験勉強を浪人生活を含めて2年あるいは3年やって到達できなかったその方面の能力をさらに年月ついやして追い求めてもしかたがない。2〜3年やれば、受験勉強で測られる能力に関しては十分各自の能力いっぱいに伸ばせていると思う。だからその方面に関しては、各自のレベルで満足して、合格できる大学に入いる。あるいは就職できる会社に就職する。入学試験では計りきれない方面で、各自が持つ良いところ、得意な能力を伸ばそう。

受験勉強で測られる能力

○自己管理能力
キチンとした計画を立てて能率的に受験勉強をこなして行かなければならないから。
○暗記力
受験勉強に必須の能力である。しかし世の中に暗記力が悪くても素晴らしい仕事ができる分野は沢山ある。暗記が苦手という人が多いのも事実だが、努力が効いてくるところでもある。
○知識を系統立てて整理し収納していく能力
膨大な受験テクニックを頭の中に手順よく収納して自在に使いこなせるようにするには是非必要な能力。いわゆる頭の良い人はこの能力が優れている事がおおい。
○論理的な分析力、理解力
特に理系方面に進む人には要求される。数学や物理が必須の職業分野、学問分野があるのは厳然たる事実。これが苦手という人も多い。
○単調で禁欲的な生活に耐えうる精神力
ある意味では鈍感さの必要性といった方が良いかもしれない。繊細で感受性豊かな精神を持った人は不利です。
○根気強さ、ねばり強さ
受験勉強を続けるにはとても大切な能力。

受験勉強で測りきれない能力

○人柄の良さ
世の中の出来事を明るく肯定的に捉えることができて、いつも前向きに考えることができる能力。勉強できなくてもこれがある故に幸せな人生を送っている人を何人も知ってる。
○体力・気力
これはある程度は受験勉強で測れる。体力・気力が無ければ受験勉強の重圧に耐えることはできないから。しかし世のほとんどのスポーツ選手にとって大学入試の成績はまるで関係ないのも事実。仕事をするとき責任感に伴う重圧を支えるには大切なところ、もちろん力仕事にも必要です。
○芸術的センス
世の一般の入試問題はこの方面の評価に関してはほとんど無力です。ある意味では創造性や感受性と重複するところがある。
○対人関係調整能力、人付き合いの旨さ
この社会では一人で生きては行けません。ある意味では最も大切な能力かもしれません。また生きていく上でその人を最も根本のところで支えてくれる能力かもしれない。学校でおおいにこの方面の能力を伸ばしている人は多い。
○創造性
世の入試問題を解くにはこの方面の能力をほとんど必要としません。だからこの能力は入学テストでは測り切れない。やってみないと分かりません。良くいうではありませんか。天才と狂気の違いは紙ひとえの差とか、多くの天才は学校での成績は劣悪だったと。
○感受性
世の様々な事柄に感動し、感激できて始めて素晴らしい人生が始まる。入試問題ではとても測ることができない。
○円満な家庭を築く能力
これは生物種としてはなかなか重要なファクター。幸せな結婚をして子孫を残せるかどうかは大切なこと。しかし世の中に身持ちの悪い人というのは居ます。
○機を見る能力、判断力、バランス感覚
世の中を旨く渡って行くには重要な能力です。何事か成し遂げるときに必要です。億万長者のビル・ゲイツはこの方面の能力に優れていて大金持ちに成りました。ただ彼の場合は受験勉強で測れる能力も優れていたのですが。
○機知力
世の中には、これに優れた人がいます。私はそういう人をとてもうらやましく思う。これは人付き合いの旨さに通じるところもありますが、受験勉強では身に付かない能力です。やはり人生の甘いも、辛いも、酸っぱいも味わい尽くした人でないと出せない味かもしれない。
○手先の器用さ
職人技術の世界では重要な能力。訓練によってその腕を磨くことも重要。世に勉強はできるが無きっちょな人って多いですね。
○話術
これは機知力に通じるところもあります。世にお喋りの上手な人っています。こういった人はやはり脳の言語野がよく発達しているのだと思う。テレビタレントで司会の旨い人がいますが、本当に天賦の才能を感じる。
○パタンーン認識力
これも悩の視覚野の発達度合いにより、その能力は大きく異なる。画家やデザイナーや映画監督には本当に優れた人がいます。子供の頃から絵の上手・へたがあるのも事実。聴覚を失った人で聴覚の代わりにこの方面の能力が素晴らしい人もいる。
○音感
絶対音感も生まれつきと、幼児期の訓練により大きく差がつくところ。私の最も苦手なところ。
○鋭敏な味覚
敏感な舌を持ち器用な人だけが優秀なコックになれる。優秀なコックになれる才能を持つ人は希です。
○運動能力・反射神経
体力・気力の充実度の項目と重なるところもあります。悔しいけれど運動能力の優れている優れていないはありますね。同じ陸上競技選手でも短距離、長距離、フィールドとそれぞれです。全てに優れるというのはなかなか難しい。
○自己の精神をコントロールできる能力
人柄の良さと通じるところがありますが世の中を達観して、どんな状況でも落ち込まない人っています。これこそ最高の能力かもしれません。

人の能力について教師が留意すべきこと

 人生経験を積み多くの生徒に接し我が子を育ててみて分かってきたことだが、人には様々な能力があり、どの能力を持っているかは人によって千差万別である。同じ親から生まれた兄弟姉妹でもかなり異なる。運動神経に優れた子、そうでない子。頭の切れる子、そうでない子。几帳面な子、おおまかな子。同じ親から生まれても違うのだからまして様々な親から生まれてきた者においておや。
 教師は子供を教えるに当たって自分の持つ能力、長所・短所が普通の状態と思ってはならない。己は上記の様にばらついている能力の一部を持っているに過ぎない。多くの教師はそれなりの大学を卒業してある程度の学力は持っている。だからといって一般の子供達全てが教師と同じ学力を持っていると考えるのは間違っている。自分の持つ能力を全ての子供達が持つと思ってはならない。また自分に無い優れた能力を持っている子供達も沢山いるということも忘れては成らない。
 人間の頭脳には限りがあるのだから、ある能力に優れていたら、必ずだめなところを合わせ持つ。全てに優れているということはまず絶対に無い。勉強できる、できないも様々な能力の一部である。さらにいえば性格が良い、悪いも様々な能力の一部である。勉強できないことは決して罪なことではない。また性格が悪いこともその子にとって罪なことではない。勉強ができないから、性格が悪いからといってその子の全人格を否定するような振る舞いは厳に慎まなければならない。教師はとくに性格が好ましくない子を否定しがちだが、それは間違ったことかもしれない。性格を良くすることができるのならばそれに越したことはないが、性格も他の能力と同じように生まれついたものだったら、その性格の下でその子が生きていけるような道を見つけてやらねばならない。根本に於いて人は皆いずれも人柄良く生きたいと思っている。それが幸せに生きる道だと知っている。しかしなかなかそれが実行できないのも事実。
 自分の目から見たら好ましくない性格、性癖の人でも、その人にとってはかけがえのないものだから、それをとやかく言うべきではないかもしれない。世の中にはいろいろな性格の人がいる。好き嫌いはしかたがない。嫌いな人と友達づきあいはしたくないが、その好き嫌いの感覚のみで他人とつきあったり、他人を評価してはならない。各自の持つ特徴を正しく正確に把握して社会の中での各自の立場・役割に応じて冷静かつ率直に平らかに付き合う。

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